第50回記念創玄展にむけて

「活動力! ーU23とG80ー」 理事長 石飛博光


 平成13年、毎日展では23歳以下の若い人達の育成、活性化を期待して「U23」の制度が作られました。創玄書道会においてもこれに倣って同制度を積極的にとり入れました。
 「U23」制度のあり方について、毎日展と創玄展とは若干の相違があります。毎日展では23歳以下という「枠」を設け、出品料を5000円として負担を軽減する他、搬入も鑑別や審査も「U23」の別枠でとり行ない、賞名も「U23毎日賞」とか一般における「秀作賞」や「佳作賞」にあたる賞として「新鋭賞」や「奨励賞」が設けられ、若者をのびのびと活動させよう、そこから新しい何かが生まれてくることを期待しようとしております。ところが創玄展においては、経済的な面で23歳以下の若者を応援しようということでは出品料を毎日展と同様に5000円とする他は、一般の大人の出品者と全く区別することがありません。鑑別や審査も一般の人達と同様に行なわれます。まさに大人のパワーと若者のパワーがぶつかり合い戦って、そんな中からさまざまな試練を経験して、大きく成長し飛躍してほしいという期待があるのです。
 私が学生の頃は、年齢制限もなく、高校一年生の時から一般部、いわゆる大人の部に出品することができました。創玄書道会の前身、「随鷗社」時代は「日書展」(日本書道美術院展〈代表 飯島春敬先生〉)に出品していたのですが、作品の大きさも3×8尺や8×8尺という大きなサイズで出品することが出来ました。だから入選することが大きな喜びであり、大きな自信となり、大きな夢を持つことが出来ました。大人の背中を見て刺激をうけ勉強させてもらいました。あたたかみの中にも厳しい世界を垣間見ることが出来て大変刺激的でした。今日、当時と時代や社会の相違はあるけれど、毎日展も創玄展もそれぞれの若者達が夢中になって励み、生き生きと活動している様子は「U23」制度の大きな成果と実感しております。
 ところで、この度の49回創玄展から、「G80」制度が導入されました。80歳以上の高齢者のために特典を設けて負担を軽減し、いつまでも書道展に参加して活躍してほしいという想いから設けたものです。今日の社会情況下では、書道界も高齢者がしめる割合が高くなっていますが、「生涯現役」の気持ちでますますご活躍を期待したいと思います。いつまでも若者にカツを入れて、日本の書道文化を牽引してほしいと願っています。
 創玄書道会の良き特徴は、老若男女がそれぞれの立場を認め合い、切磋琢磨する環境を持っているということ。全国各地に活躍の場を持ち、お互いに融和し厳しさとあたたかさを共有しながら研鑽するという、広がりとバランスがいい。開放的で遠慮なくものが言えることもいい。そんな和気藹々の中から「活動力」が生まれてくるように思います。
 来年は創玄展をはじめてから50回の記念の年を迎えます。(随鷗社時代も含めると65年です。)さまざまな計画が進行中です。より一層の飛躍を求め、より高いものを求めて、創玄の書のあるべき姿を皆さんと一緒に考える一年にしたいと思います。

(『創玄会報』111号巻頭言より)

第50回創玄展 記念事業について


創玄書道会では現在、平成25年3月の第50回創玄展にむけて、多くの記念事業が進行中です。会員の皆さんに経過を報告いたします。
(1月25日現在)

「創玄書道会50年史」の編纂
一年前より資料の収集と整理作業が行われております。二部構成で製作し、事績と50年アルバム、創玄展での歴代グランプリ作品を掲載。「役員回顧展」作品も掲載予定。正会員準会員に配布の予定。
担当役員=大平匡昭、奈良尚石、本波棲亭、太田義久、横沢白嶺

「役員回顧展」の開催
昭和39年創玄書道会発足より役員として今日の発展に寄与された先生の作品を集め、金子鷗亭先生を中心とする役員の回顧展覧会を行う。第50回創玄展会場の国立新美術館に展示し、創玄展の半世紀に及ぶ歴史を振り返る。図録を作成する。
39名の先生方の遺族または関係者の連絡先を調査し、2月下旬に出品依頼を行う。
担当役員=室井玄聳、渡部會山、鈴木一敬、鈴木不倒

「創玄自選作品集」の発行
一科審査会員、二科審査会員による自選作品集を発行する。第25回記念以来の発行となる。正会員全員に配布の予定。
担当役員=永守蒼穹、遠藤 彊、加藤有鄰、長野竹軒、福田鷲峰

「50回記念祝賀会」の開催
平成26年3月9日(日)夕刻より目白「椿山荘」で行う。(3月8日は帝国ホテルで「創玄展入選入賞祝賀会」を行う)
担当役員=加藤煌雪、醍醐春翠、吉田久実子、友野浅峰、森 桂山

記念品の製作
東日本大震災で被災した宮城県雄勝町の「雄勝硯」を記念品として決定し、発注を行っている。雄勝硯は国の伝統工芸品として指定を受けている。正会員全員、記念祝賀会招待者に贈呈される。
担当役員=遠藤 彊、永守蒼穹、加藤有鄰

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